最近、はるたくんは「お泊りセット」を持って
レッスンに来てくれています。

リュックサックの中はパジャマと・・

見せて、って言うと、「恥ずかしいからいやだ。」
って

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ADHDのはるたくんは、譜面も音楽理論もよく理解していて、
バイエルもワークも、今のとこサクサクと進んでいます。
毎週、練習もよくできています。

ただよそ見が多く、私が話している時も、
視線はどこか空間をキョロキョロと見ています。

聞いてるのか?聞いてないのか?
確認すると、「はい。」とは答えてくれるのですが、
なんとなく上の空。

こんな時は、演奏も適当にちゃちゃっと弾いてしまうので、
音楽性を高めるためのアドバイスができません。


う~ん..話さえ聞いてくれたら、
きっともっと伸びるのに・・と思うと、もったいなくて
それは毎週の私とお母さんの課題でした。

特にここ数ヶ月、「聞いて。はるたくん聞いてる?」
と声をかける時間を、とてももったいなく感じていました。

ピアノ指導に全エネルギーを使いたい私も、
いちばん大切な「聞く」ということが苦手なために、
別の方向にエネルギーを使ってしまう。

これではお互いに良い時間を過ごせません。



そこでひらめいたっ

はるたくんは、「お話を聞けないと、
今日は潤子先生の所に泊まって弾いてもらうよ。」

と言うと、「いやだっ!!」と全身で拒否するのですが、
実は最近、この効力も失せていました。

「まあ、そんなこと言っても、いつも帰ってるし。」
みたいな


よっしゃ じゃあ、本気見せようじゃないの

「はるたくん、来週から、レッスンに来るときは
お泊りセットを持って来なさい。」


はるたくんの顔が凍りつきました。
2週間前のことです。


つづく・・