お写真もお名前も載せられないのですが、
自閉症、多動で言葉が不明瞭です。
ときどき奇声をあげる時がありますが、
でも楽しそうに独り言を言ってます。

一年前に来てくれたときは、
たくさんよだれが出ていました。
小さなタオルは、すぐに濡れてしまいました。
かわいい絵のついたドリルの上にも
たくさん落ちました。
私の手も服もよく濡れていました。

それが一年たって、ほとんどよだれが
出なくなりました。


何かをしようとしてもすぐに気が散ってしまい、
楽譜を見ることを促したり、
ドリルを見ることを促しても、
すぐに目線はあちこちの方向へ泳ぎ始めます。

集中時間はゼロに近かったかもしれません。


でも、大きな知的障害は感じられなかったのと、
毎日少しずつですが家で練習をして来たのとで、
バイエル❶が終わり、❷に進みました。

❷になった時は、とてもうれしそうでした。

両手で弾き始めてから、集中できる時間が
出てきました。5分でも、奇跡の長さです。
両手を使うことで片手より意識が分散されず、
集中できているのかもしれません。

なんらかの形で、ピアニストのイメージを
本人なりに持っているのかもしれません。

憶測ですが・・


それから音符ドリルでも、じっと楽譜を見ながら
自分で「ここまでやる!」と言って目をそらさず、
進められるようになってきました。
3段ほどある音の名前の問題を
3枚も出来る日も出てきました。

まさに継続は力なり!です。

素晴らしいことです。

まだまだ課題も目標もたくさんあるし、
成長するにつれ、様々な変化も出てきますが、
今はまず、さらに集中できる時間を伸ばすこと、
そのために、いろんなアプローチを考えて
試していくこと、
ループ的なリズム
(同じリズムを規則正しく刻み続けること)
などを使い、呼吸と言葉に取り組んでいきたいと
思っています。

それが結果的に、演奏の向上になることは
間違いのないことです。


自閉症の子どもは、わかってるのか?
わかってないのか?周囲もわからないことが
多く、いちばん近くで子育てをされてるお母さんは、
迷ったり悩んだり、心配したり不安になったり、
時にはイライラしてしまったり、
そうでなくても子育ては大変なのに、、
ご苦労が多いことと思います。

でも、こうした成長を、ふと第三者が見つけてくれたり、
できなかったことができるようになったり、
目が合い、笑顔をかわし、言葉のキャッチボールが
できるようになったり、必ず良くなってゆくのです。

あきらめないでがんばりたいと思います。

wallpaper-daisy-photo-06