自閉症の子どもたちは、
時にとても幼く感じます。

特にまだ小さいうちは、
言葉がはっきりしなかったり

こちらの話してることが
どこまで伝わっているのかわからなかったり、
単純なオウム返しが多かったり、

さらに認知能力や集中力が低いと、
例えば5歳児であろうと
2歳くらいの子どもに接するように
周りは接してしまいます。

実際そのように感じるので、
それも仕方のないことだと思います。


でも私はできる限り、これを避けてきました。

5歳には5年分の歴史があります。
5年分の考え方や経験があります。
周囲からわかりにくいとは言え、
それは間違いのないことです。

5年と2年の3年分の差は、
とても大きいと思います。

人間の目や耳の五感、
この子は自閉症だという先入観、
周りとの違和感、
こうであってほしいと思う気持ち、
こうでなくてはいけないと思う気持ち、

いろんな感じ方や想いが混じります。

でも、見た目だけでその子を判断できないことが
たくさんあると感じることがよくあります。

特に自閉の子どもたちは、
インプットはできても、アウトプットは
とても苦手だからです。


自閉傾向の強い5歳の男の子。

集中力が低く、言葉も遅く、オウム返しがあり
多動です。
こうなると、5歳には見えません。

私もしばらく、どうしたもんかなー?
と思いながら、いっしょにレッスンをしていました。

ピアノはちゃんと弾きます。
音符もしっかり覚えています。


・・・ある日、
妹がいる彼に、
「お兄ちゃんだもんね、なんでもできるもんね。」

そう声をかけたとたん、
丸く小さくなってた背中をスッと伸ばし、
ピアノを弾き始めました。

お兄ちゃんだもんね、

たったこれだけの言葉が、
何かしら彼の中のどこかに届いて
響いたのかな?と思いました。

その歳に応じて、
尊厳を持って接すること、

とても大切なことを
改めて心に刻みました。

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