初見(楽譜を初めて見て弾くこと)の力が高いと、
初めてトライする曲も楽に感じるし、
間違いも少なく練習できるので、仕上がりも早くなります。
なんと言っても、いろんな曲に挑戦しようという
意欲を作ります。

初見に必要な条件として、

➊15歳までに訓練することがのぞましい。

➋右手、左手の孤立を養う。

❸正確に楽譜を読み取る力。

❹先読みする力。

❺目からの情報をすばやく整理する力。

と言われていますが、


❺は、記憶する力と言い換えられます。

➊の15歳まで、というのは微妙です。
早い方がいいのにこしたことはないんでしょうけど、
私は何人も大人の方々のレッスンを見てきましたが、
大人になってからでも、十分初見力を伸ばすことは可能です。

バッチリ覚えている子どもでも、
一年やそこら楽譜から離れてしまうと
すっかり読譜力は落ちてしまいます。

逆に、大人になってから始めた方でも、
毎日のトレーニングで、高い初見力を
身につけてる方もいます。

その場合に大事なのは、❸。
変化したところ、もしくは同じところを、全体、または
4、8小節の単位、または同じ小節内の音を探します。


そして❹。
8つくらいの音を先に見てるくらいの感じが
つかめると早くなっていきます。

私は子ども達とレッスンをしている時に、
「早く、早く」と言ったり、弾いている場所よりも少し先を
棒で指さしながら弾かせたりしています。

子どもは見るタイミングや目の動かし方、
譜面を読むコツなどがまだつかめていないので、
この方法は効果があります。


ハ長調だから簡単というわけでもなく、
臨時記号がたくさん出てくると難しく感じます。
フラットやシャープが4つ5つあっても、
同じ調を違う曲で何度も弾いているうちに、
慣れてきます。

私がエレクトーンを習っていた頃にやった訓練ですが、
16小節くらいの曲を、全ての調で練習します。
自分の得意、不得意な調がわかって面白いし、
力がつきます。

簡単な曲でいいので、みなさんもぜひ、やってみてください。
もちろん聴音のトレーニングにもなります。

そして初見というと、一見楽譜を見ているだけ、だと
思いがちですが、実は初見に強い人は、次の音を
無意識に予想して弾いています。
それはクリエイティブな力も育てていきます。

ひと口に初見と言っても、なかなか深いですね。

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