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私が音楽教室でありながら
知育にも取り組み始めたのは12、3年前になります。

その頃、知的障害のある子どもたち4,5人のグループレッスンをしていました。
年中笑って笑って、笑いの絶えないグループでした

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ライブへ向けて、
合奏や歌うこと、リズム感を養うことが当時は主な目的でしたが、
ある日、せっかく仲よしのグループなのだから・・と、
セッションとセッションの間に、お買い物ゲームをしたのです。
最初は息抜きと、もう少し暗記する能力を
楽しく伸ばしてあげられないものかと、軽い気持ちでした。

丸や三角の数種類の色板を並べて、
赤の〇と、緑の△を取って来てください。」
っていう指示で、みんなで間違えないように競争をする
だいぶ盛り上がるゲームです。
よお~く指示を聞いてないと間違えます。
また、数個の指示を覚えていないと間違えます。

案の定、時々混乱が起こりました。
でも、みんなとても楽しそうでした。
最初は難しかったゲームも、だんだんと指示をよく聞き、
記憶できるようになっていきました。

         

それを見たひとりの男の子のお母さんが、(当時小5)
個別に勉強も見てほしい、とおっしゃってくださり、
それまでピアノ中心の指導だったのを
ピアノとStudyを組み合わせたレッスンに変えたのです。
(この子はこのあと9年間、これをやり続けることになります。)

最初は何をしたらいいのかとても迷いましたが、
言語が不明瞭であったこと、
数量も繰り上がり繰り下がりになると混乱していたこと、などから、
言葉と数量にしぼったことからスタートしました。
その後、時計、物語、お金の計算、文法、絵日記、・・
ありとあらゆることをしました。

そうこうしながら1年、2年と経つうちに、ピアノがとても上達してきたのです。
音を覚えるのも早くなり、和音をおさえることもできるようになり、
適当なリズムをとっていたのも正確にとれるようになっていきました。

言葉が不明瞭で聞き取りにくく、自分からも話そうとしない子でしたが、
めちゃおしゃべりになっていきました。

全く楽譜の読めない子でしたが、中学生になった頃には、
バイエルの最後の方なら弾けるようになっていました。

お母さんはとても喜んでくださいましたが、
いちばんびっくりしたのは私でした。

素直さ、柔軟さ、なども出てきました。
これは何よりの基本。
(とっても頑固だった


ただ、とても大切なことがひとつ。

音楽療法の勉強をしまくっていた頃に、ある日の講義で、
講師の方がおっしゃった言葉がとても印象に残っています。

「上手くいったこと、または長い時間取り組んできたことが
出来るようになっても、それは私ががんばったからだ!と
決して考えてはいけない。クライアントの生活環境の中で、
いろいろな方々が関わり、本人も成長してできるようになった。
その中で、私も少しは役に立ったかもしれない、と考えること。」

この言葉はストーンと私の中に入りました。
今でも、ほぼ毎日のようにこの言葉を思い出します。


さて、でも、うまくいったのが一人では、単なる偶然かもしれません。
ということで、ピアノレッスンの間に、どの子にも同じように
数分間、ピアノ以外のことをさせてみました。

そうこうしながら数年経つうちに、やっぱり上記の子と
同じような良い成果がピアノで見られ始めたのです。
絶対無理だと他の所で言われていたことでも、
できるようになってきたのです。


そしていろんなことがわかってきました。

リズムと呼吸は密接な関係にあること。
言葉の不明瞭な子はリズムを取りにくいこと。
ひらがな、漢字、計算から始まり、
日常生活の自立に至るまで、ありとあらゆる能力のアップが、
理解力、コミュニケーション力につながり、
結果、柔軟な姿勢や気持ちで話が聞けるようになること。
実際に理解できるようになること。
それがピアノを弾く力になること。

また、音楽と組み合わせることで、いろんな活動に取り組むことができ、
集中力を発揮しやすくなるので、効果が高まること。


それはしばらくして、発達障害の子どもたちだけではなく、
定型発達の子どもたちのレッスンにも
良い影響が出てきました。

行動や気持ちがわかり辛い子どもたちと接していたことで、
その子を知り、個性を受け止め、理解力を知り、
分析、細分化することが、今まで以上にできるようになっていきました。



続く・・・